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水道管の継手の種類と耐震性の違い

水道管の図面や材料表を見ると、「K形」「NS形」「GX形」といった記号が並んでいます。これは管そのものの種類ではなく、継手の形式を表しています。同じダクタイル鋳鉄管でも、継手の作りが違えば、地震に対する強さも施工方法もまるで変わってきます。

継手に求められる2つの性能

地震に強い管路とは何か。ここを整理しておくと、各形式の違いが見えやすくなります。求められる性能は大きく2つです。

1つは伸縮・屈曲できること。地盤が動いたとき、継手が少し伸びたり曲がったりして変位を吸収できれば、管本体に無理な力がかかりません。

もう1つは抜けないこと。地盤の変位が大きく、継手が伸びきってしまったとき、そのまま抜けてしまえば漏水します。伸びきった先で抜けを止める仕組み、いわゆる離脱防止機能が必要になります。

この2つを両方備えた継手が、いわゆる耐震継手です。

K形 ― メカニカル継手

K形は、受口に挿し口を差し込み、ゴム輪を押輪でボルト・ナット締めして水密を確保する方式です。長く使われてきた実績のある形式で、部材の入手性もよく、施工の自由度も高いという利点があります。

ただし、構造上、離脱防止機能は持っていません。地盤が大きく動いたときに継手が抜けるおそれがあるため、それ自体では耐震継手には分類されません。耐震性を求める区間では、別途離脱防止金具を併用するか、耐震形式の継手を選ぶことになります。

NS形・GX形 ― 離脱防止機構つき

NS形は、離脱防止機構を内蔵した耐震継手です。挿し口の外面に突部があり、受口の内部にはロックリングが仕込まれています。通常時は継手が自由に伸縮・屈曲でき、地震などで大きく引っ張られると、この突部とロックリングが噛み合って抜けを止めます。伸縮も屈曲も抜け止めも、継手ひとつで成立させる構造です。

GX形は、この考え方を引き継ぎつつ施工性を高めた形式です。呼び径75〜450mmを対象とし、受口にゴム輪をセットして挿し口を差し込むだけで接合できるプッシュオン形になっています。ボルトを締める作業がないので、狭い掘削溝でも作業しやすい。

GX形の実務上の利点としてよく挙げられるのが、切管時の扱いです。従来は切管の挿し口に離脱防止用の溝を切る加工が必要でしたが、GX形ではP-LinkやG-Linkという専用の接続ユニットを使うことで、この溝切加工を省けます。現場で管を切る場面は必ず出てくるので、ここが省けるのは工程に効いてきます。

ポリエチレン管 ― 発想が違う

水道配水用ポリエチレン管の場合、耐震性の作り方が根本的に違います。EF接合(電気融着)によって管と継手の樹脂を溶かして一体化させるので、そもそも「継手が抜ける」という概念がありません。管路全体が連続した一本の管のようになります。

では地盤の動きはどう吸収するのか。答えは、管そのものがたわむことです。ポリエチレンは可とう性に優れた材料なので、管体が柔軟に変形して地盤変位に追従します。継手部で変位を吸収する金属管とは、対処の仕方が対照的です。この特性から、こちらも耐震管として区分されています。

形式を混同しないために

実務でいちばん気をつけたいのは、形式ごとに継手の寸法も部材も違うという点です。同じ呼び径でも、K形とGX形では受口の寸法が異なり、当然使う部材も別物です。図面の記号を見落として材料を手配すると、現場で組めないという事態になります。

寸法検索ツールを形式ごとに分けて作っているのも、この混同を避けるためです。GX形用とHPPE管用をそれぞれ独立させ、必要な寸法だけを引けるようにしています。

※各形式の仕様・適用範囲は改定されることがあります。設計・施工にあたっては、最新の規格資料(JDPA/JWWA/POLITEC等)およびメーカー技術資料をご確認ください。

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