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GX形ダクタイル鋳鉄管の切管長さの求め方

GX形ダクタイル鋳鉄管は、地震に強い耐震管です。地中に埋められた鎖のように、継手が伸び縮み・屈曲して地盤の変位に追従し、限界まで伸びきると挿し口の突部とロックリングが噛み合って管の抜け出し(離脱)を防ぎます。呼び径はおおむね75〜450mmで、上水道の管路に広く使われています。

なぜ「切管」が必要なのか

直管は呼び径ごとに決まった長さ(定尺)で供給されます。目安として、呼び径75・100は4m、呼び径150〜250は5m、呼び径300は6mといった具合です。

ここで現場の実態を考えてみてください。据付する区間の長さが、たまたま定尺の整数倍になることはまずありません。仮に定尺5mの管で32.4mの区間を敷設するなら、5m×6本で30m、残りは2.4m。この端の一本を必要な長さに切って使うことになります。これが切管です。

つまり切管は例外的な作業ではなく、ほぼすべての区間で必ず発生する作業です。だからこそ、その計算を素早く正確に行えるかどうかが、工程に直接効いてきます。

切管の接合とGX形の特長

管を切ると、切った側は「ただの切り口」になります。もともと挿し口として作られていた部分ではないので、そのままでは離脱防止機能を持ちません。

従来の耐震継手では、この切管の挿し口に離脱防止用の溝を切る加工(溝切加工)が必要でした。専用の機械を現場に持ち込み、狭い掘削溝の中で加工する。手間も時間もかかる作業です。

GX形の大きな利点は、この溝切加工が不要なことです。代わりに、切管用挿し口リングと呼ばれる専用の接続ユニットを使います。切った挿し口側を直管の受口へつなぐ場合はP-Link、異形管の受口へつなぐ場合はG-Linkを使います。内蔵された爪が挿し口の外面を保持することで、標準の管と同じ離脱防止性能を確保する仕組みです。

接続先が直管か異形管かで使う部材が変わるという点は、実務上とても重要です。計算の段階で「この切管はどちらにつながるのか」を確定させておかないと、部材の手配を間違えます。切管計算ツールで接続先を選ばせているのは、このためです。

有効長の考え方

切管で本当に知りたいのは「管の全長」ではありません。受口に挿し込む分や継手・異形管の寸法を差し引いた、実際に管路の延長として効いてくる長さです。これを有効長と呼びます。

差し引くものは、状況によって変わります。直管どうしの接合であれば、受口へ挿し込む挿入代。曲管やT字管が絡む区間であれば、継手の中心から端部までの寸法。この引き算を丁寧にやらないと、管が長すぎて入らない、あるいは短くて隙間ができる、という結果になります。

そしてここで最も事故が多いのが、測定の起点です。受口の端から測るのか、継手の中心から測るのか。同じ現場でも人によって起点が違えば、当然出てくる数値が違います。図面上の寸法がどこを基準にしているのかを確認し、現場の測り方をそれに合わせる。この一手間が、やり直しを防ぐいちばん確実な方法です。

ライナ(一体化長さ)という考え方

曲管やT字管などの異形管まわりには、水圧によって管を外側へ押し出そうとする力がかかります。これを不平均力といいます。

ここで問題になるのが、GX形の継手が伸縮できるという性質です。地震に追従するための利点ですが、不平均力に対しては、継手が動いて異形管が押し出されるおそれがあるという弱点にもなります。

そこで、異形管の前後の一定区間だけは継手が伸縮しないように固定します。GX形では、直管の受口にライナを挿入することで、その継手を離脱防止のみが効く状態にします。この固定する区間の長さが一体化長さで、必要な長さ(=ライナを入れる本数)は、呼び径・曲管の角度・設計水圧・土被り・土質などで決まります。実務では日本ダクタイル鉄管協会の管路設計資料(T57)の早見表などで確認します。

切管とライナは切り離せない関係にあります。切った管が一体化区間に含まれるかどうかで扱いが変わるため、切る前に両方を確定させておく必要があります。

手計算はミスが出やすい

ここまで見てきたとおり、切管計算には条件分岐が多く含まれます。呼び径、接続先が直管か異形管か、測定の起点、一体化区間かどうか。それぞれで参照する寸法が変わり、差し引く値も変わります。

加えて、現場は掘削溝の底で、明るいとは限らず、時間にも追われています。桁の写し間違いや起点の取り違えが起きるのは、能力の問題ではなく状況の問題です。

だからこそ、呼び径・接続先・測定の起点・実測距離を入力すれば、有効長・切断位置・ライナ数が一度に出るツールが役に立ちます。手計算の検算として使うだけでも、思い込みによるミスを潰せます。

なお、一体化長さの扱いには事業体ごとの運用ルールがあります。一体化長さを定尺長さとして扱う運用に対応したローカルルール版も用意しているので、現場のルールに合わせて使い分けてください。

※本記事は概要の解説です。実際の設計・施工では、必ず最新の規格・付表やメーカーの技術資料をご確認のうえ、ご判断ください。

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